抵抗

“小さな抵抗こそが希望になる”というテーマで不定期に記事を書いています。

令和は輝ける社会に

 

 海外から日本に戻ると、言いようのない違和感を覚えはじめてかれこれ数ヶ月になろうか。その度ごとに、一体何がこれほどいらいらさせるのだろうかと長い間、モヤモヤしてきた。やがて、私たちの顔、その表情ではないかと思い始めた。

 日本人は、豊かな表情をどこかへ忘れてきてしまったかのようだ。とろんとした目、締りのない口もと、緊張感の薄れた頬、。母親いわく、日本人はもっと生きいきとしていたという。キリッとした顔は、他の国の人々の決して劣るものではなかった。かつては、振り返りたくなるような人たちが大勢いたように思う。内面的な活力が静かながらも力強く発散され、キラキラと輝き、引き締まった表情で行き交わった。こうした凜然とした人に、いくらでも巡り合えたという。

 気がつくと、日本人には未だに蔑む人もいるアジアの人びとの方に、よほど素敵な笑顔がある。質素で古びた衣装を着ていても、表情の輝きは私たち以上である。多分、彼らには夢を描ける社会があるのではないか。スラムなどに暮らす人々も、目先の生活苦をものともしないエネルギーを内側に抱く。人々は背筋を伸ばし、将来への可能性を大きく広げる。そうした姿が子どもたちにも希望を与えたのだろう。

 だが昨今の私たちの社会は、ことなかれ主義が蔓延り、利己主義や無責任が蔓延している。子どもたちの表情は合わせ鏡のように鬱々とし、子ども本来のあの輝きがほとんど見られない。これは、大人ひとりひとりの責任だし社会の大問題だろう。消えかけている凛々しい姿を取り戻し、令和は子どもたちが輝ける社会にしたいものだ。

 

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