東大出身で聡明な友人が自分の人生を大切にするために外の音を断捨離しているらしい。思えば自分も外の音をできる限り消音にすべくSNSを止めた。一人暮らしが再開し待てど届かない冷蔵庫を垂涎していたけれど、気づけば冷蔵庫が無くとも生活できることを知った。腰が重い社会人を痛烈に非難していた学生時代、今となっては考慮すべき変数が増えて挑戦に退嬰的になるのは言い訳ではなくて責任だと知っている。
生まれた瞬間から競争社会に投げ込まれ、我々は常に序列を付けられている。強者にとってはずいぶんと生きやすくなったが、弱者は漆身呑炭な想いで毎日を過ごしている。そうした社会のノイズをオフにして久しいが、非常に有意義な時間が流れている。ここまで自分は生き急いできたように思う。これからの生き方も含めて、ゆっくりと自分と見つめ直す時間を作りたい。