抵抗

“小さな抵抗こそが希望になる”というテーマで不定期に記事を書いています。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

政治家というもの

子ども時代に文化大革命期をくぐり抜けたある中国人研究者から、「日本の政治を見ていると、まるで子どもの遊びのようだ」と言われたことがある。教室での発言一つで友人たちに糾弾され、指示する人を間違えたら排除され、命まで奪われかねないという厳しい…

次の世代に何を残すのか

戦後、時代の節目や何かのきっかけで「戦争責任」が議論されることがあったが、ここ数年その言葉すら聞かれなくなってきた感がある。昔、とある番組のドキュメンタリーで、主人公の男性が青臭い正義心で両親に「なぜ大人であったあなた達が市民として戦争を…

維摩一黙

出る杭は打たれ、空気は読まされる。 伝統的体質とも言える日本の苦々しい雰囲気に触れたのは、マクドナルドの店員が「時給一五〇〇円」を求めてデモを行った前後のことである。大規模にフランチャイズ化したファストフード店は、学生にとって、ごくありふれ…

国によって殺された人々を想う

複雑な世界を読み解く時、国家(権力・統治機構)と国(民族・国土・文化)を分けて考えると、ある種の視界が開けてくる。国家益と国益はしばしば衝突する。国家によって国が蹂躙、収奪、抑圧された歴史を日本人は先の対戦で経験した。沖縄への米軍基地の押…

2万個の穴を埋める

現代日本社会における自殺は、特別な人たちに特別な形で起きているのではない。日本の自殺の特徴は、それが社会構造的な問題になっているということだ。もし自殺が個人的な資質や性格が原因で起きているのであれば、ある年は4万人亡くなって翌年には1万人と…

排除型の社会に終止符を

五年も前になるか、東京の朝鮮学校高級部の公開授業を見学したことがある。覗いた教室では、社会科の授業で、近代ヨーロッパの啓蒙思想を教えていた。雰囲気は”一時代前の学校”のようだった。教師たちは厳格そうで、生徒に茶髪は一人もいない。若い女性の教…

強権

橋下前大阪府知事の政治に関する考え方に危険なものを感じるため、以下三点指摘しておきたい。 第一にその発想が善悪二元論であるということである。自分の考え方は「善」でそれに反対するのは「悪」という決めつけである。「選挙に勝って白紙委員をもらった…

日本政府の視野狭窄によって無視されてきた地域の歴史

本土に居ると、「きれいなサンゴ礁」「美ら海水族館」という彼らにとって都合のいい煌びやかな沖縄県だけが切り取られ、負の歴史を受け付けない無言の圧力に息が苦しくなる。 お酒の席のことであった。ある教員が居酒屋に備え付けてあったテレビが流すニュー…

同化を強制する日本型社会

これほどまでに女性の活躍を謳っておきながら、日本という国ほど旧態依然、古い考えに縛られている国も珍しい。海外の勤務から戻ってきた日本は、より窮屈に感じられるようになった。職場でも家庭でも、より女性が働きやすくなるヒントはあるのに、ひとたび…

穀潰しは死ねと社会が言う

滋賀にある、今は合併された町で育った。寒さは厳しく、町民はみな寄り添うように生きていた。ここそこの家の事情は全部、地域に筒抜けだった。思い返すと、あの当時の私にとって社会とは、住んでいる場所のことだったかもしれない。 近所には、障害を持って…

安倍という日本の病

戦争への道はさまざまだが、平和への道は一つしかない。話し合いである。 日本国憲法はアメリカの押し付けと言われるが、私は憲法第九条、平和主義の起源は、ドイツの哲学者カントが書いた「永遠の平和のために」の中にあると考える。一八世紀ヨーロッパが戦…