抵抗

“小さな抵抗こそが希望になる”というテーマで不定期に記事を書いています。

より良い社会環境を築きあげたい

私も、高校時代、向学心と受験勉強の矛盾、画一的で味気ない一斉教育に不満と怒りを覚えた生徒の1人であったが、この問題に回答を与えてくれる教師には出会わなかった、そして学校を辞めて編入した。また後になって、日本の社会における職場と教育機関の断絶…

あまりにアンフェアではないか

夏が近づくにつれ夜が長くなってゆく。 薄暗い車内灯を乗せて滑り込んでくる列車に包み込まれるように、疲弊して自宅に向かう若者たちの姿に正気がない。肩書きだけの年寄りに比べれば、彼らにより大きな責任と報酬を与えるべきではないか。 日本の遅れた部…

「いらっしゃいませこんばんは」が気持ち悪い

数年前からコンビニ店員の挨拶が長くなった。とても耳障りだ。基本的に「いらっしゃいませ」も「こんばんは」も、言われて気持ちの良い言葉のはずだ。それが合体したのだから二倍気持ちが良くても良い理屈だが、これがどうしたものか気持ちが悪い。それぞれ…

政治家というもの

子ども時代に文化大革命期をくぐり抜けたある中国人研究者から、「日本の政治を見ていると、まるで子どもの遊びのようだ」と言われたことがある。教室での発言一つで友人たちに糾弾され、指示する人を間違えたら排除され、命まで奪われかねないという厳しい…

次の世代に何を残すのか

戦後、時代の節目や何かのきっかけで「戦争責任」が議論されることがあったが、ここ数年その言葉すら聞かれなくなってきた感がある。昔、とある番組のドキュメンタリーで、主人公の男性が青臭い正義心で両親に「なぜ大人であったあなた達が市民として戦争を…

維摩一黙

出る杭は打たれ、空気は読まされる。 伝統的体質とも言える日本の苦々しい雰囲気に触れたのは、マクドナルドの店員が「時給一五〇〇円」を求めてデモを行った前後のことである。大規模にフランチャイズ化したファストフード店は、学生にとって、ごくありふれ…

国によって殺された人々を想う

複雑な世界を読み解く時、国家(権力・統治機構)と国(民族・国土・文化)を分けて考えると、ある種の視界が開けてくる。国家益と国益はしばしば衝突する。国家によって国が蹂躙、収奪、抑圧された歴史を日本人は先の対戦で経験した。沖縄への米軍基地の押…

2万個の穴を埋める

現代日本社会における自殺は、特別な人たちに特別な形で起きているのではない。日本の自殺の特徴は、それが社会構造的な問題になっているということだ。もし自殺が個人的な資質や性格が原因で起きているのであれば、ある年は4万人亡くなって翌年には1万人と…

排除型の社会に終止符を

五年も前になるか、東京の朝鮮学校高級部の公開授業を見学したことがある。覗いた教室では、社会科の授業で、近代ヨーロッパの啓蒙思想を教えていた。雰囲気は”一時代前の学校”のようだった。教師たちは厳格そうで、生徒に茶髪は一人もいない。若い女性の教…

強権

橋下前大阪府知事の政治に関する考え方に危険なものを感じるため、以下三点指摘しておきたい。 第一にその発想が善悪二元論であるということである。自分の考え方は「善」でそれに反対するのは「悪」という決めつけである。「選挙に勝って白紙委員をもらった…

日本政府の視野狭窄によって無視されてきた地域の歴史

本土に居ると、「きれいなサンゴ礁」「美ら海水族館」という彼らにとって都合のいい煌びやかな沖縄県だけが切り取られ、負の歴史を受け付けない無言の圧力に息が苦しくなる。 お酒の席のことであった。ある教員が居酒屋に備え付けてあったテレビが流すニュー…

同化を強制する日本型社会

これほどまでに女性の活躍を謳っておきながら、日本という国ほど旧態依然、古い考えに縛られている国も珍しい。海外の勤務から戻ってきた日本は、より窮屈に感じられるようになった。職場でも家庭でも、より女性が働きやすくなるヒントはあるのに、ひとたび…

穀潰しは死ねと社会が言う

滋賀にある、今は合併された町で育った。寒さは厳しく、町民はみな寄り添うように生きていた。ここそこの家の事情は全部、地域に筒抜けだった。思い返すと、あの当時の私にとって社会とは、住んでいる場所のことだったかもしれない。 近所には、障害を持って…

安倍という日本の病

戦争への道はさまざまだが、平和への道は一つしかない。話し合いである。 日本国憲法はアメリカの押し付けと言われるが、私は憲法第九条、平和主義の起源は、ドイツの哲学者カントが書いた「永遠の平和のために」の中にあると考える。一八世紀ヨーロッパが戦…

発表を恐れると成長はできない

思えば、少し前まで大学院生をしていたこともあり、振り返ると、本当に学びに満ちた2年間だったと思います。その一方で、当時を振り返ると、あの時もう少し勉強しておけばよかった、もう少し色んな方と話しておくべきだった、そう思うのです。そんな私でも、…

国際機関を目指す学生は修士論文を英語で書くべきか

こんにちは。 今日は修士論文・博士論文を書く際、国際機関を目指す学生は英語で執筆すべきか、について私なりの意見を述べさせていただきます。海外で学位を取得する院生は当然英語での提出が求められるため、問答無用で英語になりますが、日本で学位を取得…

消費税撤廃でも実質賃金は上昇しない

山本太郎氏の最大の主張に「消費税廃止」が挙げられます。ここでの公約にも「消費税を無くした6年後には、一人当たりの賃金が44万円上がる、初年度に物価が5%以上下がる」と明記されています。しかし、消費税撤廃で大幅に物価が下落するということは、デフレ…

国連職員には普通の人の方が多いのか?

こんにちは。 今日は”国連職員には「有能な人材」ではなく「普通の人材」の方が多いのか”といった問いに対し、筆者の意見を述べさせていただきます。学生時代に指導教官から毎日のように「言葉の定義を明確にしろ」と言われてきた身ですが、今回はあえて言葉…

教育に過度な期待をかけてはいけない

こんにちは。 5月に入り、ブログの記事を12本投稿してきました。在宅勤務になると、思想に耽ることが多くなります。そういったこともあり、「いつ働いているのか?」と聞かれることが増えてきました。私は海外で勤務していますが、コロナの影響により日本で…

文系でも数学を学んだ方が良い理由

こんにちは。 今日は文系であれ数学はやっておいた方が良いということをぼやいていきたいと思います。その理由は主に3つあります。1つ目は、出来る人が少ない、ということで、そのため希少性が高くなるからです。2つ目は、数学は非常に汎用性が高く、業種問…

disinhibit

英国人作家の本の書評で引用された”disinhibition"という言葉がわからなかった。大英和を引いてもしっくりくる説明がない。あれこれ考え、「抑制解除」という訳語を考えたところで、これが重要な概念であることに気づいた。 第二次安倍政権発足後、関係者の…

靄然

「感染したらこの国では十分な医療を受けることができない」、勤務地からチャーター機に乗って帰国をして一ヶ月が過ぎた。帰国後、政府が発令した緊急事態宣言は、私の住む県をも対象地域に含まれることになった。思えば、現地での在宅勤務を含めると、リモ…

「抵抗」ブログについて

いきなり熱湯に入れれば飛び上がるが、少しずつ熱していけばーーこのゆでがえるの比喩は、はたしてどこまでが本当なのだろうか。インドの道端で、男性が鶏の首を切断する光景を目の当たりにして吐き気を催した性格なので、実験して試すつもりはない。生物学…

心配ならなぜ他人に預けるんですか

凄惨極まる津久井やまゆり園事件から、四年目を迎えた。障がいのある友人を持つ人間として、あるいはこの国で暮らす一人の人間として、多くのことを考えるきっかけとなる事件であった。思えばこの事件について、有名無名をと問わず、様々な人たちが様々な発…

日本人だけがよければいいのか

当時、民進党の代表であった蓮舫氏が国籍喪失許可証書など一部の資料を開示した時には驚いた。やまぬ国籍二重との疑惑に終止符を打つべく取られた手であった。これほどまでに、後味が悪く、気が重くなった会見を私は知らない。 近年、殊に日本を持ち上げるテ…

学生が国連インターンに応募し機会を獲得する方法

こんにちは。 今回の記事では「学生が国連機関でインターンの機会を獲得する方法」について書いていきます。対象は国内外の大学生及び大学院生となります。なぜ社会人を対象としていないかについてですが、これは私見になってしまいますが、社会人があえて国…

国際機関で働くということ(前回の付記)

こんにちは。昨晩、「国連機関で働く私が転職を検討するに至った背景」というタイトルで投稿させていただいた記事が思わぬ反響を受けております。現役学生の方から国際協力を生業とする専門家の方まで、幅広い世代の方に記事を読んでいただいております。全…

国連機関で働く私が転職を検討するに至った背景

はじめまして。普段はこのブログを通じて”小さな抵抗こそが希望になる”というテーマで不定期に記事を書いています。私は、文字を介して自分の想いや熱量を伝えることが好きなので、過去の記事をいくつか読んでいただけますと、ある程度までは私の人物像をイ…

惨事便乗型資本主義

ショックドクトリンの本質について、その命名者であるナオミ・クラインは、次のように述べている。 「破壊的な出来事が発生した直後、災害処理をまたとない市場チャンスと捉え、公共領域に一斉に群がるような行為を、私は『惨事便乗型資本主義』と呼ぶことに…

学校教育の意義

ちょうど去年の今頃、自分は全く就活をせずにバングラデシュの家計調査を用いて計量分析をしていました。とはいえ、全く就活をしていなかったかというと語弊があって、SPIを受けて、通って、でも面接には行かなかったり、あるいは面接にジーパンと半袖でいっ…